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温帯睡蓮の水鉢を掃除しようとウロウロしていたら、
せま〜いバルコニーの片隅みに見慣れない黒い影。
「あれ? カミキリムシ?」
そーっと近づくと、それは紛れもない“クワガタムシ”!
もうすでにずいぶん長く生きているのに、
天然(?)のクワガタムシを見るのは初めてだと思う。
カブトムシでさえデパートで買ったものしか見たことがない始末。
緑豊かな田舎を持たないものの悲哀かもしれない。
そんなものだから、
“クワガタムシ”と分かった瞬間に頭に浮かんだのが、
「何処から逃げてきたんだろう?」という言葉(悲)。
いざクワガタムシを目の当たりにすると、
経験もしていないのに童心に帰ってしまうもの。
近づくと堂々とした大顎を広げて威嚇する彼に、
スマホを向け写真を撮りまくる大の大人がひとり。