泳げるほどの暑さ。でもここはシーズンオフ。
名鉄の急行列車はガラガラ。楽に座ることができる。
知多新線内海駅を降り海岸伝いに野間駅まで歩く。
法定速度ギリギリの車で駆け抜ける通常と違い、
沿道のお店などの栄枯盛衰が感じられて新鮮だ。
「我に木太刀…」、源義朝が無念の死を遂げた
『野間大坊』は子供の頃以来の訪問だったが、
おどろおどろしい「血の池」以外は、
ほとんど記憶に残っていないことが判明したのみ。
潮風をたっぷり受けて陽焼けした手の甲を眺め、
靴に入った白い砂を落としながら、
再びガラガラの紅い列車に乗り込むのでだった。