雨の城下町、飛騨古川。

冷たい雨、飛騨の朝は寒い。

古い友人が住んでいたこともあり、
ほんの少し名古屋寄りになる“高山”へは何度も訪れたことがあるが、
ここ“飛騨古川”の街を訪れたのははじめてだ。
観光の拠点『まつり会館』『飛騨の匠文化館』
そこから続く『瀬戸川と白壁土蔵街』。しっかりとした街づくり。
ランドマークともいえる巨大な銀杏の樹が目を引く。
この辺りは十数年前に整備されたという。

傘をたたみ『飛騨の匠文化館』の和室でお話を伺った。
「ここから眺める銀杏の木が一番きれいなんですよ。
よかったら、窓を開けますのでそこから写真撮ってください。」
「鯉はもう餌食べなくなったんですか?」
「ええ、気温がここまで下がってしまうとねぇ。
もうすぐ鯉たちはお引っ越しするんですよ。」
「暖かいところへ行くんですか?」
「あまり気温は変わらないんですけどね(笑)、
この川は近隣の方の除雪に使われるんですよ。
雪の捨て場になるんです。」
観光用だけではなく生活に重要な役割を果たしているのだ。
お話によると、この辺りは高山と比べると気温も低く降雪量も多いとのこと。
名古屋人から見るとそれほど離れていないように思われるのだが、
一山越えただけでもがらっと環境は変わるものなのだろう。

夥しい数の銀杏の葉が、川辺の遊歩道に黄色い絨毯を敷き詰めている。
これらはただ一本の樹からの落ちた葉。
春になると避寒地から返ってくる鯉たち、今の動きは確かに緩慢。
すれ違ったミドルエイジの女性グループの人たちが、
「大きいね〜、美味しそう〜!」と大笑いしているのを聞いて
その視点の違いと、生命力の差に圧倒された。
(見上げた銀杏の樹と、鯉のアップは前日撮影したもの)

郡上八幡へ向かう復路のせせらぎ街道は、
晴天の昨日とは違う表情を見せてくれた。

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