〜メイカーズピアジャズフェスタ NAGOYA 2022〜
『ケイコ・リーアルバムデビュー25周年記念コンサート』へ。

台風が迫り来る中、よりによって湾岸埋立地の先端に鎮座する会場へ。
荒天覚悟でビニール合羽を持参したほど‥。

開場を待つ間、建物の越しに流れてきた“Come Together”。リハだ。
それは私ひとりだけに聴こえていた贅沢な一曲。

初めて訪れるその小振りな会場はやや大きめなライヴハウスといったところか。
通常はスタンディングのライヴが主なのかもしれない。
お約束のパイプ椅子。最前列のど真ん中の砂被り席。
ステージの高さ故、仰角がややきついものの、
手を伸ばせばケイコ・リーさんの譜面台に手が届くほどの近さ。
両サイドのピアノとドラムはPA要らず、ダイレクトな音が気持ち良い。

少人数のオーディエンスは客筋が良さげで、
年齢もやや高いこともあってか拍手のタイミングが絶妙で、
各演奏曲の終わり際の余韻を味わうことができた。ここ大切!

開演前にスタッフさんが入念にピアノの調律をされていた訳が、
しばらく経ってから理解できてきた。
このステージの前には山下洋輔さんのソロライヴがあったのだ。
山下さんの演奏スタイルをご存知な方はもうお分かりだろう。
出来ればこちらも観たかったなぁ。
ピアノのチューニングが狂っていたのならなおのこと。

生歌を聴いてみたいと思っていた3人の女性ボーカリストが
やっとのことで昨日完遂。
山本潤子さん、夏川りみさん、そしてこのケイコ・リーさん。
お3人は期待どおりあるいはそれ以上だったのは当然だが、
いちばんぶったまげたのは番外のおひとり。
山本潤子さんと共演されていた“イルカ”さんだ。
やや大きく見えるアコースティックギターを抱え、
ぽつねんとした佇まいで「なごり雪」を歌っている姿は、
テレビなどで数えきれないほど観てきた。
が、その生歌の印象は全く違うものだった。
「なごり雪」を含めほんの数曲だったのだが、‥その存在感たるや。
当たり前のことだが、とにかく凄まじく歌が上手い。
ギター1本の弾き語りだったからこそなのかもしれない。

そんなことをあれこれ考えながら、
アンコール曲の“Come Together”を聴き終え、
傘の必要がないほどの小雨の中、
もの寂しい埋立地を後にしたのでした。

※動画は、2020年12月3日(木)BLUE NOTE TOKYOのもの

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