先日鈴鹿サーキットを訪れた時にJR関西本線から見た長良川の河川敷。
葦が茂るその浮島のような景色が気になり、
桑名から歩いてみることに…。
せっかくだから桑名の観光名所にも寄ってみようと
桑名市のサイトにあった「六華苑」と「諸戸氏庭園」へ。
六華苑は実業家諸戸清六の旧邸(現在は桑名市所有)、
諸戸氏庭園は豪商山田彦左衛門の下屋敷・隠居所であったものが、
後に諸戸清六の手に移り徐々に手を加えられたのだとか。
これぞ豪邸。それぞれ広大な敷地に趣向を凝らした建物と庭園。
予備知識ほぼゼロの訪問だったので、
その私邸とは思えぬスケールに圧倒された。
案内リーフレットの諸戸清六氏プロフィールにある、
この財を成すまでの経緯も興味深い。
その後、本来の目的であった河川敷へ向かったものの、
歩道のない吹きさらしの堤防道路を車に煽られながら歩かねばならず、
猛烈な北風と相まって吹き飛ばされそうになること度々。
残念ながら、浮島のような風景までは辿り着けなかった。
今回もJR関西本線の車中、外国人に声をかけられた。
その男性は名古屋駅で私の後に電車に乗り込んできて、
出入り口付近にいる私に、向かえのホームに止まっている普通列車と
今乗っている「快速みえ」を交互に指差し、
「桑名に行くのはこっち?あっち?」と。
まるで先日の鈴鹿サーキットでの一件がデジャヴのようだ。
その若者はネパール人。少し前まで沖縄にいたそうだ。
そこから一度はネパールへ帰国し、再び来日。
そして名古屋へ…。名古屋で仕事を探すのは厳しいらしく、
桑名の知り合いを頼って行くのだそうだ。
彼「ここはぜんぶ田舎ですか? 名古屋だけ田舎じゃない?
名古屋はちょっと厳しいね…。」
(この内容はちょっと意味が分かりにくかった)
車窓の景色を眺めながら、
彼「山たくさんね。ネパール山いっぱいある。」
私「ネパール山もっと大きいでしょ。チョモランマとか。」
彼「そう、ネパール山大きいね。」
私「沖縄、海、綺麗だったでしょ。ネパール海ないよねぇ。」
彼「ネパール海ない。沖縄海きれい。」
私の日本語もつられてだんだんたどたどしくなりながらも、
わずか30分足らずの間に彼の身上をほぼ把握できた。
彼は優しそうな微笑みをたたえ、桑名駅に降り立った。
ガンバレ! ネパールの若者。