落語はモダンジャズに似ている。
そこが大好きな理由でもある。
古典落語はスタンダード、新作落語はオリジナル、
シュールな落語は差し詰めフリージャズだろうか。
古典落語はジャズのスタンダード曲よろしく
演者によって全く違う解釈や表現になる。
師匠によってそのスタイルが決まってくる傾向もよく似ている。
アドリブが入り込むことなどは言わずもがな。
なので同じ噺や同じ曲を、同じ演者で何度聴いても楽しいのだ。
落語に至っては、観衆のほぼ全てが噺のスジからオチに至るまで
事前に把握しているにも関わらず、
木戸銭を払ってわざわざ聴きにくるのだ。
そして決まった箇所で笑う。思えば不思議な空間だ。
前座:桂仲びん 『饅頭こわい』
春風亭昇市 『真田小僧』
立川生志 『太鼓腹』
立川志の輔 『みどりの窓口』
柳亭市馬 『掛け取り万歳』
桂南光 『抜け雀』
前回は歌丸さん目当て、今回は立川流推し。
立川生志さんは時事ネタの“まくら”で懐の深さを見せ、
立川志の輔さんは新作落語『みどりの窓口』は今日一の大爆笑をとり、
失ってしまった歌丸さんや円楽さんへの思いもありながら、
なんだかんだで楽しいクリスマスだった。