初めて訪れた宇治。
駅を降り立ち大半の人たちが向かう「平等院」には向かわず
先ずは「明星山三室戸寺」を目指す。
アジサイやツツジで有名なお寺だが、
時季外れのためか人影は少ない。
庭園は貸切状態でじっくりと拝観できた。
JRさんに言われるまでもなく
元々“ずらし旅”専門なので狙いどおりだ。
取って返して「平等院」。こちらはそうはいかない。
予想どおり世界遺産恐るべし。鳳凰堂内部拝観は2時間待ち。
「ミュージアム鳳凰館」は人気企画美術館並みの混雑。
賑わう「鳳凰堂」はさて置き、
「最勝院」の玄関先のセンスが秀逸だった。
今の時期でこうなのだからインバウンド華やかなりし時は
いったいどれほどの人出になるのだろうか。
“ずらし旅”専門の私は“人気どころ”を目の当たりにすると、
サーっと音を立てて気持ちが冷めていくのが常だ。
広々とした「宇治公園」で暫し気持ちを立て直す。
「興聖寺」。
回廊の先でひとりの外国人女性が立ち止まり
こちらに背を向けたまま動かない。
ご時世柄、暫し間を取って様子を見る。
が、全く動く様子がない。
どうしたんだろうと訝しがりながら、
ソーっと脇をすり抜けようとしたところ、
彼女の手の甲親指の付け根辺りに
小さな小さなシジミチョウが‥。
しまったと思ったのとほぼ同時に、
蝶はその手からヒラリと飛び立ってしまった。
彼女の涼しげな目元に怒りの色はなかったが、
「ソーリー」と小さな声をかけ軽くお辞儀。
彼女の大切な時間を邪魔してしまったようだ。
「さわらびの道」を通って「大吉山展望台」。
宇治の街を一望して1日を締めくくった。