事務所のバルコニーに置いた三つの小さな水鉢。
それぞれにメダカと一緒に一株ずつ入っている温帯睡蓮。
今年は春先に植え替えをしたため花は諦めていた。
ところが、立秋を過ぎた頃にひとつの蕾が現れ
昨年と同じく白い花を一輪咲かせてくれた。
小さいとはいえ、幾何学的に並ぶ花びらが美しい。
もうひとつ興味深いのはその高度な機能性。
夜露からおしべめしべを守るためなのだろうか、
お昼過ぎから夕方にかけて花びらを蕾の状態まで完璧に折りたたむ。
初めて見たときは別の新たな蕾が出てきたのかと思ったほどだ。
翌朝再び花は満開になり、やがて眠りに落ちるように花を閉じる。
この繰り返しを見守る数日間がなんとも楽しい。
昨日は久しぶりに真夏のような暑さだった。
盛んに葉を茂らせる残りの二鉢の睡蓮も、
来年こそは花をつけてくれるはずと思いつつ
仕事の仕上げに追われる晩夏の一日であった。